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たとえば、やけどするほど熱いマシンガンの銃身交換をする。だからそれを主力にするレイマーのグローブは無骨だ。

モズは右手だけ装備をはずし素手になると、からっぽになったモノメイトポーチから「それ」をとりだした。こわしてしまわないようにそっとつまみあげて光にかざしてみる。
シティの人工光でも、それはちゃんと、きれいだった。

「おや、よさそうな素材を持ってるじゃないか？」

「え？あ、あの…こんにちは。えっと。」

ひとなつこい笑顔のフォースが声をかけてきた。ずいぶん親しげだけど、ぼくは彼が誰か思い出せなかった。

「うふふ、思い出せないでしょう。だって初対面だもん。
君がいいものを持ってるからつい、ね。」

「いい…もの？」

「うん。
ねえ、きみがよければそれでいいものを作ってげよう。
どうだい？
ふふ、きまりだね。
じゃあちょっとまってておくれ、これでも飲んでてさ。」

フォースは飲みさしのピーチソーダのカップをぼくににぎらせると、軽やかな身のこなしで人混みに消えていった。

甘すぎるピーチソーダをすすりながらレイマーのモズは思った。

強引な人だなあ。
姉ちゃんたちみたい。ニューマンってみんなそうなのかな？
でもあんなものを拾ってくるなんて、ぼくも今日は少し浮かれていたみたいだ。
ラグオルの地表に造成された森は母星のものとそっくりで、狂暴な原生動物がいなければ昼寝のひとつもしたくなるような場所だった。

こんどは花を探してみよう。

「うふふ、いいね。それも。」

さっきのフォースがいつのまにかもどっていて、あたりまえのようにモズの手からピーチソーダのカップをひったくった。　ずずず．．．．

「ちぇ、もうないや」

カップを街路のてすりにのっけるとフォースは笑顔でふりかえった。

「あ、あの。ジュース、ごめんなさい。」

「ふふ、いいんだよ。
それよりさ、待たせたね。ほぅらこのとうり。」

まるでエンゲージリングを見せるようにフォースはぱかっと箱を開けてモズの前にさしだした。

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